神戸大学戦略的事業「適応的スキル発達をめぐる異分野共創拠点の形成:環境と調和する人間の先端研究からの価値創造」の一環として、現在、私が提唱する「わらべうたアプローチ」に焦点化したシンポジウムを開催していただきました。参加者は、神戸大学を中心とした研究者や特別支援学校の先生方でした。
当日は、神戸大学 林創先生(発達心理学)がコーディネーターとなってくださり、私の研究発表後、山本健太先生(障害者心理学)、石原暢先生(応用身体運動科学)、黒川陽司先生(特別支援教育学)がそれぞれのお立場から、ご質問をしてくださり、多面的な議論が行われました。
「わらべうたアプローチ」の効果は、保護者・支援者にも波及しうるのか?
「わらべうたアプローチ」の心的メカニズムはいかなるものか?
「わらべうたアプローチ」の中に、アセスメントを組み込むことは可能か?
どの程度普遍的であり、また、どういった個別性があるのか?
多くのご質問は、まさに新たな研究の息吹を与えてくださるものでした。いつの日か、いくつかのご質問に対して、自信をもって応えていけるよう、わらべうたアプローチの研究としての充実を図っていきたいと強く思いました。
また、参加者の中で、すでに重度の障がいをもつ児童・生徒に対して、わらべうたを意識的に取り入れられている支援学校の先生方との交流もありました。「わらべうたの中には、ストーリー性を含むものもある。はじまりがあって終わりがある。まさにお話の構成そのものであり、国語の中で扱う題材を理解するうえで助けになる」「情緒の安定は、後伸びの力となる。わらべうたがもたらす人への信頼や情緒の安定を大切にしていきたい」といった貴重なご意見も述べてくださりました。
研究への刺激と実践への確かな手応えを感じることができた貴重な2時間でした。
今回の企画をご提案くださいました林先生、また、支えてくださいました指定討論の皆さまに心より感謝申し上げます。
人間生活学研究科 人間発達学専攻には、臨床心理学コースと人間発達学コースがあります。前者は、公認心理師・臨床心理士の資格取得を目指す方、後者は児童学(心理学・インクルーシブ学・教育学・文化学・芸術等)に関する学びを深めると同時に臨床発達心理士の資格取得を目指す方に最適です。私たちと一緒に学びを深めていきませんか?社会人経験のある方も是非ご検討ください♪
人間発達学専攻主任
湯澤 美紀
・受験生サイト
・児童学科
・大学院(文学研究科、人間生活学研究科)
・大学院の日常はこちらから