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日本語日本文学科

2013.06.07

学生の作品紹介|第18回(2012年度)書道卒業制作展の出展作品(1)

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日本語日本文学科

書道卒業制作展

第18回(2012年度)書道卒業制作展の出品作品 紹介
※画像の転載はご遠慮下さい。



赤木絵理(聖華) 臨王鐸『行書五律五首巻』
【解説】 王鐸は明清二朝に仕え礼部尚書になった。書は二王(羲之・献之)・顔真卿を融合して一家をなした。行書五律五首巻は、王鐸が五十一歳の時、自作の五言律五首を行書で書いたもので、途中で紙を継ぎ足して書いた長巻である。
【所感】 この作品は、渇筆の美しさに魅力を感じています。また、王鐸のような大きな表現に挑戦したいという気持があったので、この作品を選びました。連綿している躍動的な場面も多く、なかなか王鐸の筆法を表現できなくて苦しみました。王鐸の気分でダイナミックに書くように心掛けました。思うように書けなかった部分もありますが、楽しく取り組むことができたと思います。
 

赤木絵理(聖華) 臨王鐸『行書五律五首巻』

赤木絵理(聖華) 臨王鐸『行書五律五首巻』

笠原典恵(鶯枝) 臨米芾『蜀素帖』

笠原典恵(鶯枝) 臨米芾『蜀素帖』

笠原典恵(鶯枝) 臨米芾『蜀素帖』
【解説】 宋・ 元祐三年(一〇八八年)九月、米芾が浙江省湖州の知事であった林希に招かれ、湖州の地で揮毫したものである。蜀(四川省)で織られた素(絹)の巻物に書いてあるのでこの名がある。烏絲欄(うしらん)を織り込んだ絹本で、米芾自作の詩八首を七十一行に書いている。珍しい材質でしかも織り目が粗いため、かなり 書きにくかったことと思われるが、米芾の本領を遺憾なく発揮し、中年期における代表作と評される。
【所感】 ずっと書いてみたいと思っていた作品です。本物は絹地ですが、そこまでは再現できなかったので、半切に油性ペンで罫線を引いて書きました。行によって文字の間隔が違うと ころや、行の中心がそろっていないところが難しかったです。他の四作品と比べると書き上げるのに時間がかかりましたが、集中して楽しく書くことができました。


川﨑美奈子(夏宵) 一字書「團」
【所感】「團」は「団」の旧字で、「ひとまとまりになっている人や物」という意味があり、「団結」や「集団」といった熟語でよく用いられます。「第十八期のメンバーがひとまとまりになって、卒業制作展が成功するように」という願いを込めて、この字を選びました。初めて大きな筆を使用して書いたために、思うように筆が動かず表現の仕方に大変悩みましたが、意図しないところで面白い線が生まれるなど、書の偶然性を楽しみながら書いた作品です。

川﨑美奈子(夏宵) 一字書「團」

川﨑美奈子(夏宵) 一字書「團」

常浦桂子(梢雲) 臨「瓦当」

常浦桂子(梢雲) 臨「瓦当」

常浦桂子(梢雲) 臨「瓦当」
【釈文】 ①「蘭池宮当」「羽陽千歳」「青龍紋」「長楽未央」「長生未央」②「金」「下天甲」「樹木・馬」「高安万世」「関」③「有万憙」「万歳」「白虎紋」「□司空瓦」「永受嘉福」④「甘林」「維天降霊延元万年天下降寧」「樹木・鹿」「富貴万歳」「漢并天下」
【解説】 「瓦当」とは、屋根瓦の中で最も外側の軒の部分に突き出た端に位置し、建築物の保護と装飾の働きをしている筒状の瓦。瓦当は、一般に文字瓦当(瓦当文字とも称す)と画像瓦当の二種類がある。また、形状の
円形のものは円瓦当、半円形のものは半瓦当と呼ばれる。
【所感】 瓦当を初めて臨書したのは、三年次の篆・隷書法の授業の時でした。円の中に文字を布置することによる字形の変化をとても面白く感じたのを覚えています。もっと多くの瓦当を知りたい、瓦当で作品をつくりたいという気持ちから全紙作品は「瓦当」の臨書に取り組むことに決めました。様々な字形の変化があり、その変 化を楽しみながら書くことが出来ました。また、文字瓦当だけではなく画像瓦当にも挑戦し、より広く瓦当の世界を味わうことが出来たのではないかと思います。

花田千明(李泉) 『生きて死ぬ智慧』より
【解説】 生命科学者による現代詩訳・般若心経絵本。当代きっての生命科学者・柳澤桂子と、生命曼荼羅を描き続ける日本画家・堀文子がコラボレーションした作品である。今までで最も明晰な日本語で、般若心経に込められた「いのちの意味」が感得できる本と言われている。今回抜粋したのは、この本の冒頭部分である。
【所感】 今回出品した中で、最も頭を悩ませた作品です。般若心経の訳本であり内容が難しいため、どんな配置・書体にすれば最も上手く内容を表現できるかといったこと について、常に模索していました。そして行き着いたのが「左手書」というものです。字は右手で書くよりも未熟で不完全ですが、「不完全な人間」を表現するには最も有効な方法だと考えました。左手ならではの面白さを楽しんでいただければと思います。

花田千明(李泉) 『生きて死ぬ智慧』より

花田千明(李泉) 『生きて死ぬ智慧』より

廣江典子(皐嵐) 一字書「凛」

廣江典子(皐嵐) 一字書「凛」

廣江典子(皐嵐) 一字書「凛」
【所感】 凛には、りりしいという意味があります。字の形や音が好きで、この字を選びました。一字書は、篆書で書きたいと思っていました。字典で篆書の「凛」という字 を調べたとき、あまり載っていなかったので、「凛」を組み立てている、にすいなどの部分を調べて組み合わせることにしました。そうして、このような書き方の篆書もあるのかと、色々発見することもできました。特に「回」という部分は中でも特徴的だと思いますし、自分自身も楽しく書くことができました。

森かおり(園月) 臨懐素『自叙帖』
【解説】唐代の僧・懐素が代宗の大暦十二年(七七七年)に書いた草書作品である。内容は懐素自身の書歴を自ら筆を揮って書いたものである。とはいうものの自分で自分のことを書いたところは初めのごく僅かで、ほとんどは他人の言葉を用いて自画自賛したものである。懐素は酒を愛し、興に乗じると声を発して壁一面に書いたと伝えられており、懐素の書く草書は「狂草」と称された。
【所感】卒業制作で今まで挑戦したことのないことをしてみたいと思い、この作品を選びました。狂草を書くのは初めてで、線質がどうしても固くなってしまったり、思うようにかすれが出せなかったりと苦戦しました。しか し文字それぞれの表情や後半になるにつれて大胆さを増す表現などを味わいながら、楽しく書くことができたので、挑戦してみてよかったです。

森かおり(園月) 臨懐素『自叙帖』

森かおり(園月) 臨懐素『自叙帖』

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