• Youtube
  • TwitterTwitter
  • FacebookFacebook
  • LINELINE
  • InstagramInstagram
  • アクセス
  • 資料請求
  • お問合せ
  • 受験生サイト
  • ENGLISH
  • 検索検索

日本語日本文学科

2016.04.01

図書館に関する雑誌|川﨑 千加|日文エッセイ150

Twitter

Facebook

日本語日本文学科

日文エッセイ

日本語日本文学科 リレーエッセイ
【第150回】 2016年4月1日
【著者紹介】
川﨑 千加(かわさき ちか)
図書館・情報学 司書課程担当

図書館を使った情報リテラシー教育を探求しています。
 
図書館に関する雑誌
 皆さんが目にする雑誌といわれるものには様々な種類があります。雑誌は共通の名称で号数などの順を追って終わりを予定せず、継続して発行される「逐次刊行物」の一つです。このような特色を持つものとして、新聞や毎年の概況をまとめ年1回発行される年報や年鑑などもあります。

 雑誌の特色の一つに、特定分野の専門的かつ新しい情報を得られることがあります。ファッション雑誌には最新流行のファッションが紹介され、ファッションに関する様々な情報が掲載されています。カメラ雑誌にはカメラの情報、音楽雑誌には音楽の情報というように特定の分野に特化した雑誌を専門誌と言ったりします。また、それぞれの雑誌の出版の目的や内容によって、研究誌や学術雑誌といわれるもの、一般誌や大衆誌などに分けられることもあります。他にも、発行団体によって機関誌や学会誌と呼ばれたり、発行される頻度によって月刊誌、週刊誌、季刊誌などと呼んだりもします。さらに、特定の職業や業体を対象とした業界誌と言えるものもあり、図書館に関する記事や論文を収載する図書館の専門誌、研究誌は図書館業界の雑誌とも言えます。

 『雑誌・新聞総カタログ2015』(メディアリサーチ)によると、日本で発行されている図書館に関連する雑誌は数十誌あります。この中で、一般に市販されているものは2015年3月時点で12誌ほどです(出版年鑑, 2015)。市販はされていても、一般書店ではなかなか売っていませんので見たことがない方も多いと思います。図書館のことだけに特化した内容の雑誌を読む人はどんな人か、と考えると図書館情報学の研究者や図書館の現場で働く司書、司書課程を学ぶ学生たちなど、何らかの図書館情報学との関わりがあるかよほど図書館が好きな人でないと手に取ることはないと思います。

 今回はそうした図書館に関する雑誌をいくつか紹介したいと思います。図書館に関する雑誌をタイプ別に分けてみると、(1)館種ごとに発行されているもの、(2)館種を問わず様々な図書館のトピックを扱う総合的なもの、(3)特定の図書館サービスやトピックに特化したものなどがあります。

 まず、館種ごとに発行されている雑誌ですが、図書館には設置母体によって学校図書館、大学図書館、専門図書館などがあり、例えば写真1のように各館種がタイトルとなっている雑誌も発行されています。これだけでもいろいろな図書館があることがわかります。これらには、主にそれぞれの館種が抱える課題や現場での実践、研究成果、最新の図書館事情などが掲載されます。

 館種を問わず総合的に図書館のトピックを扱っているものの代表的な雑誌が、日本図書館協会(以下、JLA)が発行している『図書館雑誌』です。この雑誌は1907(明治40)年10月に創刊され、戦争時期などに休刊があったものの現在まで毎月発行されています。JLAは多くの図書館員が加盟する職能団体であり、『図書館雑誌』は館種に関わらず現在の図書館界の話題を総合的に知ることができる情報源です。また、同じJLAが発行している『現代の図書館』は、毎号図書館に関するトピックを一つ取りあげ、多角的に論述している季刊誌です。そして『図書館界』(日本図書館研究会発行)と『日本図書館情報学会誌』(日本図書館情報学会発行)は、図書館情報学研究の学術雑誌で会員に配布されています。

 3つ目の特定の図書館サービスやトピックに特化したものとして、写真3の他にレファレンスに関する論文などを掲載する『参考書誌研究』(国立国会図書館発行)などもあります。この中の『むすびめ2000』は図書館が行う多文化サービスをテーマとした雑誌です。    

 今回紹介した雑誌はごく一部ですが、司書は所属する館の新しい情報を知り、仕事に活かせるよう日々努力する必要があります。また、こうした雑誌の多くは会員にのみ配布されるものも多いのですが、研究会などに参加することによって図書館員同士の繋がりが持て、人的ネットワークを広げるきっかけにもなっています。近くの図書館にあれば、一度手に取ってみると図書館業界の今が少し見えてくるかもしれません。

日本語日本文学科
日本語日本文学科(ブログ)

一覧にもどる