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ノートルダムの風景

2016.11.18

聖書の言葉 ヨハネ20章16節│須沢かおり教授

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ノートルダムの風景

聖書の言葉

イエスが「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。
(ヨハネ20章16節)

この聖書の箇所は、復活されたイエスとマグダラのマリアの感動的な邂逅の場面です。

「イエスに従って来て世話をしていた人々」の一人だったマグダラのマリアは、どこまでもイエスにつき従った女性でした。十字架から降ろされたイエスの亡骸を抱きかかえ、香料と香油を準備し、墓に埋葬し、悲しみにくれて、イエスのお墓に佇んでいました。そこに復活されたイエスが「マリア」と呼びかけたのです。「ラボニ」(先生)というマグダラのマリアの応えは、彼女のイエスをどのように愛し、慕い、尊敬していたかを表しています。マグダラのマリアには自分のすべてをイエスに託し、つき従ってゆく、ひたむきさ、信頼、愛がありました。信仰とは「何」というより「誰」が対象であり、人格的な出会いを基にしていることを、イエスとマグダラのマリアの関わりから学ぶことができます。

マグダラのマリアは、「復活したキリストが最初に現れた人」、「復活を証言するように遣わされた人」、「復活の喜びの中心的メッセージを伝える福音宣教者」です。

2016年6月、教皇フランシスコはマグダラのマリアをキリストの「使徒たちの使徒」(apostola  apostolorum)に挙げることを発表しました。これまでカトリック教会において使徒は、イエスに従い、生活を共にした男性の弟子たちである十二使徒に限定されていました。マグダラのマリアは「(男性の)使徒たちのなかの(女性の)使徒」となりました。父権的な傾向が強く、司祭職も男性に限られているカトリック教会において、女性の使徒としてマグダラのマリアが加えられたということは、画期的でもあります。女性の本質、使命、役割について再考し、教会の中心となって活躍する女性を鼓舞しようとするカトリック教会の姿勢を見ることができます。

「いつくしみの特別聖年」は本年11月20日に終了します。この特別な恵みの年にあたり、マグダラのマリアが「使徒たちの使徒」とされたことは、女子大学に集う私たちにも、大きな励ましと勇気を与えてくれます。私たちも人生のそれぞれの場で、信頼と愛に生き、どこまでも、いつまでもイエスにつき従っていったマグダラのマリアに倣ってゆきたいものです。
 

キリスト教文化研究所 教授 須沢 かおり

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