2018.07.24
2018年6月15日に表記特別講義を開催しました。講師の治部先生は、講演当時、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター(センター長:野依良治氏<ノーベル化学賞受賞>)にお勤めで、MBA(McGill大学)を取得しておられ、医学博士(岡山大学)でいらっしゃいます。また、本学の卒業生でもありますので、後輩の学生たちに向けて、メッセージを寄せて頂きました。(社会教育主事課程 西井 麻美)
文部科学省 科学技術・学術政策研究所 治部 眞里
【たゆたいし パリ最後の日 号泣 言葉にならず されど沈まず】
これは、2年間の経済協力開発機構(OECD)での赴任を終え、パリを離れる日、セーヌ川のほとりで作った歌だ。パリの標語は「たゆたえど沈まず」。異国の地・パリで暮らした2年間における最大の収穫、それは過ごす大地の気が全身に漲ると、まるでその気と共鳴するかのように、その地の文化・思想の中をたゆたいつづけることが可能になるということだ。
ノートルダム清心女子大学では脳の機構を場の量子論で理論的に紐解くという研究をしていたが、文部科学省科学技術・学術研究所に異動してからは、科学から技術への知識の流れを計量書誌学的に計測するという科学技術政策研究に携わっている。
大概与えられた課題は、一見関係のないようなものが結びつかなければ、発想の飛躍は望めないし、答えも導けない。そのためには頭の中に多くの引き出しがないといけない。また、熟成期間も必要だ。頭の中に多くの引き出し作るためには、たゆたい続けて、多くの文化・思想を入れなければいけない。気を全身に漲らさなければいけない。リベラル・アーツとしての性格を持っているノートルダム清心女子大学という大地に身を置くみなさんは、大学との共鳴によって、自然に多くのことが頭の中の引き出し入ってくるはず、あとは熟成するのを待つだけだ。その過程を通して生きることを学んで、真の自由人になってほしい。Bon Voyage!