2016年
08月09日

8月15日被昇天のマリアの祝日

 皆さま、すでにご存じのように、本学の名称・ノートルダム清心女子大学の「ノートルダム Notre Dame」は フランス語です。 Notre は「私たちの」、Dame は「貴い女性」を意味します。英語ならば Our Lady と表現されます。

 イエス・キリストの母マリアを聖母として崇敬する習慣は、カトリック教会の特徴です。

 さて、今回のブログでは、カトリックの教会暦(典礼暦ともいいます)から、815日の祝日について紹介したいと思います。

  カトリック教会では815日を聖母マリアの日として特別にお祝いします。

 なぜならば、聖母マリアは地上の生活を終え、死後3日して、霊魂(れいこん)も肉体もともに天に上げられた。この被昇天にあずかった日が815日であると信じられているからです。






ルーベンス 被昇天のマリア ベルギーアントウェルペン 聖母マリア大聖堂

 なお、聖母の被昇天がカトリック教会で教義決定されたのは1950年で、教皇ピウス12世のときです。またここで留意しておくべきは、キリストの昇天には Ascension(英語) が用いられ、聖母マリアの昇天には  Assumption(英語)  を充てている点です。日本語ではキリストには昇天、すでに書いてきたように聖母マリアには被昇天の語を充てて区別しています。これは聖母マリアも人間、被造物であることを明確にしたものです。

 ただし、聖書のなかに聖母マリアの最期の様子や、死後のマリアの体の状態について記した箇所はありません。それでもなお、聖母マリアへの崇敬と聖母マリアの被昇天をカトリック教会は認めています。

 では『新カトリック大事典』4(研究社、2009年)の項目「ひしょうてん 被昇天」には、どのように書かれているでしょうか。

 しかしながら、その内容はやや専門的であるようなので、私なりの理解を加えて要約するならば、次のようになります。

 地上の生活の終わり、つまり死は悲しむべきことではありません。「救い」と「永遠の命への希望」につながっています。聖母マリアは人びとの歩みを励ます「希望の星」です。なぜならば、これらは聖母マリアが天に上げられたことによって実現されているからです。被昇天こそは、神から聖母マリアを通して私たちに与えられたメッセージです。

 

 ところで、1945(昭和20)815日正午、日本では昭和天皇による終戦の詔書がラジオ放送(玉音放送)で流されて、ポツダム宣言の受諾が国民に対して伝えられました。このことから、815日には「全国戦没者追悼式」が行われています(もっともこれは1963年以降のことです)。

 また日本のポツダム宣言受諾によって、朝鮮・台湾は日本の統治から解放されました。そのため、大韓民国や朝鮮民主主義人民共和国、台湾では、光復節(こうふくせつ)が祝われます。

 

 815日は、さまざまな意味をもった日であるわけです。

 この日に何に思いをめぐらすのか。何を祈るのか。

 一人ひとりの選択は自由です。

 しかしこれまでの経緯から、戦争というあやまちを繰り返さないために、唯一の被爆国日本に暮らす私たちは「平和の実現」とその希望を、815日に聖母マリアに祈ることができるのではないでしょうか。     

          (文責 キリスト教文化研究所所員 藤實久美子)

 


聖母マリア像(ノートルダム清心女子大学構内)