6月24日は洗礼者聖ヨハネの誕生を祝う祭日です。

カトリック教会で誕生日が祝祭日となっているのは、イエスと聖母マリア、そして洗礼者ヨハネの3人のみです。祝祭日のうちでも最も重要性の高いものを「祭日」といいますが、イエスと洗礼者ヨハネの誕生は、どちらも祭日です。イエスの誕生を祝うクリスマスは冬至祭と関わりがありますが、そのちょうど6か月前にあたるこの祭日は、聖ヨハネ祭と呼ばれ、夏至祭とも結びついて、キリスト教文化圏では盛大に祝われます。


『ルカによる福音書』1章には、イエスと洗礼者ヨハネの誕生の記事が並列的に描かれ、洗礼者ヨハネはイエスの先駆者として位置づけられています。天使ガブリエルは、祭司ザカリアに

「あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ」(13・14節)

と告げます。この天使ガブリエルがちょうど6か月後にマリアに神の御子の受胎を告げます。そして身ごもったマリアは、親類のエリサベトを訪ねます。マリアの挨拶を聞いたエリサベトは聖霊に満たされて声高らかに言います。

「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。」(42-44節)

この神からの恵みによって身ごもった二人の妊婦とその胎児が対面する美しい場面から、イエス・キリストとの出会いの喜びを最初に体験したのが胎内の子であることに注目し、胎児のいのちの尊さを訴えたのは、マザー・テレサです。マザーは、三度来日しましたが、その訴えこそ、来日の最大の目的でした。



ところで、マザー・テレサ来日の折に、通訳も務め、マザーと親交のあったシスター渡辺和子名誉学長の修道名は、洗礼者聖ヨハネを意味するセント・ジョンでした。それゆえに、シスターの学長時代のプレジデンツデー(学長の修道名の聖人の祝祭日を学長祝日として祝う日)は、洗礼者聖ヨハネの祭日でした。


シスターは生前、「6月のカレンダーには祝日の休みがないでしょう。だから、私の学長時代にプレジデンツデーの祝日が6月24日で休みになるのが、大変喜ばれていたのよ」と懐かしそうに話されていたことが想い起されます。


シスターは昨年12月30日に89歳で帰天されましたが、自らの葬儀のために生前にシスター本人が用意しておく聖書の言葉があり、それは洗礼者ヨハネの次の言葉でした。


「彼は栄ゆべく、我は衰うべし」(『ヨハネによる福音書』3章30節)


この言葉は、イエスに洗礼を授けた洗礼者ヨハネの使命が何よりも救い主であるイエス・キリストを無私の心で指し示すものであったことを告げています。シスターがセント・ジョンの修道名をいただいて生きたほぼ60年におよぶ修道生活は、まさにこの洗礼者ヨハネの姿勢にならい、私たち一人ひとりをかけがえのない存在として「ご大切」にしてくださる神を、学生に接する自らの身をもって指し示すことを志した教育者としての人生であったことを想わずにはいられません。


今年から6月24日洗礼者聖ヨハネの誕生の祭日は、そうしたシスター・セント・ジョン渡辺和子名誉学長の姿を偲び、その志を改めて想う大切な日となりました。

アンドレア・デル・サルト 「聖家族と聖エリサベツと洗礼者ヨハネ」


キリスト教文化研究所教授 山根道公



2017年10月28日(土)~29日(日)に行われる第54回大学祭では、シスター・セント・ジョン渡辺和子追悼展を企画しています。直筆原稿や映像を公開予定です。

イエス様が私たちの罪を購うために十字架に架けられ,死にて葬られて3日目に復活されたイースター(復活祭)から50日目に、キリストの弟子たちの上に天から聖霊がくだり、教会が誕生した日をペンテコステ(聖霊降臨日)と言います。

この出来事に関する聖書の記事は新約聖書の『使徒言行録』2章1節 - 42節にみられます。

それによれば、復活したイエスは弟子たちに「近いうちに聖霊が降る」ことを告げて(使徒言行録1章8節)、天に昇っていきます(キリストの昇天)。それから10日後、ユダヤ教の五旬祭の日に使徒とイエスの母や兄弟たち、イエスに従った女たちが集まって祈っていると、激しい風のような音が聞こえ、天から炎のような舌が一人ひとりの上に分かれて降ってきました。
集まって祈っていた信徒たちは聖霊に満たされ、さまざまな国の言葉(普通の人に理解できない「異言」ではなく、「外国語」のことである)で語り始めたのです。地中海世界全域に離散させられていたユダヤ人たちが、五旬祭のためにエルサレムに集まっていましたが、(パレスチナ出身の)信徒たちが地中海世界各地の言葉で語っているのを聞いて驚きました。
使途ペテロが中心になってイエスの死と復活の意味について語ると、多くの人が信じて洗礼を受け、使徒たちのグループに加わりました。

これが聖書の記述に著された聖霊降臨の出来事です。神様の恵みが聖霊を通して私たちの間に今も生き生きと働いており、その力によって教会が建てられているということです。
ペンテコステの色は赤、教会の色です。赤は聖霊の炎と、聖霊を受け世界に福音を述べ伝えた弟子達を象徴する色です。

エルグレコ 「聖霊降臨」


クリスチャンにとって、ペンテコステは希望の日です。それは、神様が聖霊を通して私達に今もなお働き続けていることを認識することによって与えられる希望です。その希望は私たち自身が、神そのものである聖霊による神との執り成しによって日々新たにされ、イエス・キリストの証人となることへと誘う力の源です。



キリスト教文化研究所所員・人間生活学科教授 平松正臣 

キリスト教文化研究所
平松正臣

昭和4(1929)年に白亜の殿堂と称され建築されたノートルダム本館と東館は、第二次世界大戦の空襲から逃れるため、油性塗料によって全館が黒く塗りつけられました。1945年6月29日の岡山空襲でも、奇跡的に戦火から逃れました。この壁は当時の面影として残しています。
終戦後、壁の黒い塗料は完全には除去することはできず、上から白く塗り替えられました。写真は、2016年に行われた壁の補修時、壁の表面部分をはがした際に現れた黒い塗装の一部です。

ND BULLETIN No.195より転載



詳細を「清心アーカイブズ」でぜひご覧ください。本学の歴史、伝統、行事、関係の深い人物について深く知ることができます。

2017年5月13日(土)午前9時30分より本学記念館にて第66回キャップ・アンド・ガウン授与式が挙行されました。
天候はあいにくの曇りでしたが、式の開始を待つ学生たちや保護者の方々、関係者でにぎわっていました

キャップとガウンを身にまとった学士候補生たちが入場してきます。

学士候補生として認められた4年生たちは、凛とした声で高らかに祈りと宣誓を唱えます。
原田学長からの式辞に真剣に耳を傾ける姿が印象的でした。


また、上智大学神学部教授 竹内修一先生より「いのちを整える」と題した講演を賜りました。
人とのかかわりの中で形成されるかけがえのない自分、そしてミッションスクールの特色を持った本学で学ぶことの意義を、改めて認識したことと思います。

 

 

 
 
キャップ・アンド・ガウン授与式を終え、来年の3月に行われるフッド授与式を経て、アカデミックドレスは完成されます。

新たな決意を胸に、卒業までの学生生活が実り多きものであることを願います。



アカデミックドレスとは?
本学の卒業関連行事

2017年
05月02日

聖母月

カトリック教会では、五月を聖母マリアをたたえる「聖母月」としています。
聖母マリアとはイエスの母のことです。英語でOur Lady、またフランス語でNotre Dameと呼んでいますが、どちらも「私たちの貴婦人」という意味で、後者はノートルダム清心女子大学の大学名の一部にもなっています。

マリア信仰は中世ヨーロッパで始まり、19世紀になるとローマ教皇によって教理として定義づけられました。
マリアは、神の恵みと特別なはからいによって、原罪と汚れがはじめからなかったとされています。(1854年のピウス9世による「無原罪のお宿り」の宣言については2016年12月のブログを参照。)

新約聖書には、マリアがイエスを生み、また彼の死にも立会ったことが記されています。
イエスの死後は弟子たちに母として敬われました。

マリアは、神の特別な恵みをうけていましたが、予期せずイエスを身ごもることになったり、またイエスの受難を見守ることになるなど、女性として、また母として特別の苦しみを経験しました。
しかし、神のはからいを従順に受け入れ、謙虚に祈りました。人々はそのようなマリアの姿にならおうとしてきました。

カトリック教会では、人々はマリアへの祈りを通じて、神へのとりなしを求めます。
かつてマリアへの祈りは「めでたし、聖寵みちみてるマリア、主御身と共にまします」と始まる「天使祝詞」でしたが、現在では、「アヴェ・マリアの祈り」として次のように唱えられています。

「アヴェ、マリア、恵みに満ちた方、主はあなたとともにおられます。
あなたは女のうちで祝福され、ご胎内の御子イエスも祝福されています。
神の母聖マリア、わたしたち罪びとのために、今も、死を迎える時も、お祈りください。」


古来、聖母は絵画に描かれたり、音楽によって賛美されてきました。
皆さんも、イタリアルネサンス期のラファエロの「聖母子像」や、フランスのシャルル・グノーの「アヴェ・マリア」を目にしたり、耳にしたことがあるでしょう。

ラファエロ 「聖母子」



日本では、五月は花の美しい、風のさわやかな季節です。聖母マリアをたたえるにはふさわしい時期と言えるでしょう。
毎年、ノートルダム清心女子大学附属幼稚園の園児たちが、校内の聖母像への聖母行列を行なうのもこの季節です。



キリスト教文化研究所 教授 小林修典

附属幼稚園の聖母行列はこちら

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小林修典