011 あまんきみこさんのお話を聞いて
■ 坪田譲治 生誕120周年
2010. 03. 29
3月13日、本学のカリタスホールに、作家・あまんきみこさんが来られました。
カリタスホール坪田譲治生誕120周年・坪田譲治文学賞25周年記念 「坪田譲治 ― あまんきみこが語る恩師の姿」
あまんきみこさんが、自ら生い立ちを振り返りながら、恩師・坪田譲治の思い出など、日本語日本文学科 山根知子教授との対談という形で、語ってくださいました。
あまんきみこさんが対談に来られると聞いて、小学校の国語の授業で本読みをしていたときのことが、思い出されました。
“『ちいちゃんのかげおくり』 あまんきみこ さく”
空が青くてきれいな日には、中庭や運動場で友人とかげおくりをして遊んだことを思い出します。
あまんきみこさん(右)と本学・山根知子教授(左) 実際にお会いした、あまんきみこさんは、やわらかい笑顔でお話をされる方でした。7人家族の一人っ子で、小さいころは病気がちで、おふとんの中から窓の外を見ていることが多かったそうです。
中学生のときには、戦争を経験されました。
世の中が混乱していて、何を信じたらいいのか分からなくなったときに、学校の先生が黒板に書いた4行の詩が、あまんきみこさんに大きな影響を与えている、というお話が印象的でした。
一粒の砂に世界を見
一輪の野の花に天国を見る
掌(たなごころ)のうちに無限をつかみ
一瞬のうちに永遠を見る
この詩はいまでも、あまんきみこさんの心の中に息づいていると、おっしゃられていました。
『びわの実学校』の創刊号 坪田譲治さんとは、『びわの実学校』という童話雑誌を通じて知り合われたそうです。
「作品には、人生を書きなさい。」
そんな言葉を残された坪田譲治さんのことを、あまんきみこさんは、“いろんな人の世界を受け入れてくれる、あったかくて優しい人だった”とお話されていました。
そして40歳になったとき、小さいころに見ていた、窓に区切られていた世界が、自分にとっての「絵本」だったことに気づいたとおっしゃっていました。
講演を聴いたあと、なんだかあたたかい気持ちになりました。
それは、あまんきみこさんの表情や仕草から、やわらかい人柄を感じたからだと思います。
私はみんなから“ちいちゃん”と呼ばれているため、とくに『ちいちゃんのかげおくり』というお話が、いちばん記憶に残っていました。
ぽかぽかしたお天気のよい日には、また小学生のときみたいに「かげおくり」をしたいな、とそんなことを思いました。
(入試広報部 藤本 千裕)



