自由が活きる場所 ― ミュージアム|清心ダイアリー

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004 自由が活きる場所 ― ミュージアム

■ 現代社会学科 准教授 紺谷亮一(こんたに・りょういち)先生を訪ねて

2010. 02. 10

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blue2.jpg 明るい日差しの午後、現代社会学科の紺谷亮一先生を訪ねました。

 ちょうど、清心に、あたらしい“博物館学ホール”ができたところです。
 このホールを、紺谷先生と歩きます。

 紺谷先生のご専門は、考古学。
 昨年の夏、先生と学外で偶然に出会いました。新幹線のドアが開いたときに…
「よお! いまからトルコ、行ってきます!」「ええ?!(笑) いってらっしゃい!」
 先生は、風のように乗り込み、発掘の旅に出かけられました。

 トルコでの古代都市発掘の様子は、山陽新聞の紙面(2009年10月22~28日)と、HP動画でも紹介されています(山陽新聞LinkIcon> 動画 > 検索「紺谷」で見ることができます)。

 そんな紺谷先生は、清心に来られる前、岡山市立オリエント美術館の学芸員をされていました。
 学芸員とは… 博物館や美術館の専門職です。
 紺谷先生は、同じ学科の藤實 久美子先生とともに、この学芸員課程を担当されています。
 本学では、どの学科の学生さんも、この資格を取得することができます。さまざまな美術館・博物館を実際に訪れながら、博物館の展示・保管などについて体験的に学びます。

 その「博物館学」が、このホールに示されているわけです。

 扉が開かれて、最初の一歩。
 なによりもまず印象的なのは、ホール全体にさしこむ光です。
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 案内してくださっている、紺谷先生です。
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 現在の展示は、本学の歴史に関するもの。

 入口のすぐそばにあるのは、本学でずっと前に使われていた、タイプライター用の机なんだそうです。
 机の上には、聖書が開かれています。
 この展示のカタログ ― “N. D. S. U. Collection vol. 1”も置かれています。
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 聖堂のある、ノートルダムホール東棟の設計図。
 このホールも、その中にあります。
 建築家 アントニン・レーモンドによってつくられ、国の文化財にも指定されていますが、日々の授業など、わたしたちがいつも訪れる建物でもあります。
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 本学・カリタスホールが建てられたときに、発掘された土器たち。
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 土器の展示には、こんな小道具が…
 カリフォルニア製の、「ミュージアム・ジェル」。
 館内のテーブルに置いたところです。
 土器をいためず、固定することができるし、水に溶かせばきれいにとれるんだそうです。
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 このほかにも、さまざまなパネルや、写真、資料などを見ることができます。
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■ 伝えたいストーリーを持つこと

入試広報部(以下、N):この博物館学ホールでは、本学の歴史をずっと展示していくんですか?
紺谷先生(以下、紺谷):いま、うちで出せる一番のものって、本学の歴史だからね。この建物なんかもさ、ほんと、飾り立てたりしないけど、きれいで、落ち着いてて、いい大学ですよ。
 でも、何を展示してもいいんですよ。僕の専門でいえば、トルコで発掘したときのものとか、展示してみたいなとも思うけど…
 みんなに自由に使ってもらいたいな、って思ってるんだ。
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N:自由ですか!!
紺谷:うん。博物館って、要は何を展示してもいいんだよ。モダンアートでもいいし、それならきっと型破りな展示方法があるだろうしね。すでに持っているものだって、どんなふうにでも取り上げられるんだ。

 その人が、どんなふうに見せたいか、が大事なんだよ。

 「博物館学」なんて「学」にしちゃうとさ、なんか、かたくるしくなるんだよね。 “光の角度はこうで…”とか、“湿度はどれくらいで…”とか。
 それもあるけど、そういうことばっかりが大事なんじゃなくて、やっぱりどう見せたいか、ってことなんだ。

 だから、ものは何を置いてもよくって、どう見せたいかが博物館学。
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N:その見せ方って、何かいいやり方があるんですか?
紺谷:たとえば展覧会のカタログとかって、これも学芸員の人たちが作ってるけど、やっぱり自由なんだよね。
 最小限の… たとえば参考文献や写真のリストをこんなふうにつけるとか、そういうのはあるよ。でも、この写真をこんなふうに大きく載せたいとか、こんなデザインにしたいとか… そういうのは、学芸員の人たちが、けっこう入れ込んで作ってる。それはもう、その人がどう見せたいかだよね。

 大事なのは、ストーリーかな。
 つくる人が、ストーリーを持ってることが大事だね。

 展示の順番だって、どんなふうにしてもいいんだよ。たとえばすごく大きなものから始まってもいいし、逆に顕微鏡をのぞくところから始まってもいいし。そこにストーリーがあればね。

 ほんと、博物館ってどんなものも対象にできて、ヨーロッパとかじゃグッチの展覧会とかもやってるんだ。昔からの型紙だとか、そういうものがいっぱいあって…

 だからショップの店員さんっていうのも…

N:そこのブランドの学芸員さんみたいなものなんだ! お店をどんな雰囲気にして、どんな服をどこに置いて、来てくれた人と話をして…
紺谷:そう。だから、日々の生活の中にも、そういうことって通じてるんだよ。

 そんなお話をしながら、これからの博物館学ホールについて、夢を語り合いました。
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 さて、この原稿を先生にお見せしようと思っていたところ。おたがいに時間が合わなくて、なかなか連絡が取れないままだったのですが…
 ちょうど入試広報部の前の廊下で、いつものニット帽をかぶった紺谷先生と出会えました。

「すみません、お電話いただいてたのに…」
「いや、自由にやってくれていいよ、って伝えようと思ってさ。それだけだよ」

 自由を受け止めるって、どういうことか、感じられた気がします。
 大学も、ミュージアムのように、多彩な人と人が出会って、ストーリーを紡いでいく場所なのかもしれません。
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 紺谷先生の紹介はこちら
→ 紺谷先生のイスタンブル報告
→ 現代と古代
→ 紺谷亮一先生(教員紹介ページ)


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