2017年
08月09日

聖母の被昇天(Assumptio Mariae)

カトリック教会の祝日は、全教会において祝われるものと一定の修道会や場所においてのみ行われるものがあります。
教皇ピオ十二世(在位1939~1958)は、1950年11月1日全世界に向かって、マリアの被昇天を教義として公布しました。日付の8月15日については、皇帝マウリチウス(602年没)によって確定されますが、この当時は「神の母マリアの日」として祝われたようです。7世紀には、「聖マリアの(天国への)御誕生日(Natale sanctae Mariae)」とこの祝日が言われています。12世紀以降マリアの被昇天は、全教会の普遍的な信仰となりますが、全教会の祝日と宣言されるまでには長い年月が必要でした。


当日のミサの集会祈願は、次のように祈ります。

「全能永遠の神よ、あなたは、御ひとり子の母、汚れのないおとめマリアを、からだも魂も、ともに天の栄光に上げられました。信じる民がいつも天の国を求め、聖母とともに永遠の喜びに入ることができますように」


興味深いことは、日本語「被昇天」はピオ12世の表現を正当に表現するものでないとの指摘があることです。エバンヘリスタ著「マリア論入門」において、ピオ12世は、「assumpta」を使用するが「受け取られた」という意味しかないと指摘しています。さらに、同じ表現は詩編73.24に見られ「あなたは・・・・・私を栄光に受け入れるだろう」(共同訳:取られるであろう、フランシスコ会訳:引き取られる)と日本語に翻訳されることも述べています。

聖母の被昇天の祝日は、聖母マリアが天の栄光に迎え入れられたように、信じるすべての人々が聖母とともに天の栄光に受け入れられるという希望を新たにする祝日でしょう。


「ルーベンス 被昇天のマリア」
ベルギー アントウェルペン 聖母マリア大聖堂


学長・キリスト教文化研究所教授 原田豊己神父

原田豊己
キリスト教文化研究所