今年4月から人間生活学科生活経営学研究室に新しく着任しました葉口英子と申します。岡山県北で生まれ育ち、高校卒業後から28年の歳月を経て、故郷に戻ってまいりました。本学科では広告論、メディア戦略論、マーケティング・コミュニケーション論といった科目を担当します。ノートルダム清心女子大学での教員生活はまだ日が浅いですが、学生の皆さんと授業やゼミを通じて接するなかで、新鮮な気づきや学びを得ながら充実した日々を過ごしています。なかでも私にとって貴重な学びの場となっているのが3年生対象のゼミ活動です。現在私のゼミでは、各自関心のあるテーマを設定し、先行研究や文献・資料の収集と読解を進めている状況です。



 そこで今回はゼミ活動について、学生の一人が取り組む研究テーマをご紹介したいと思います。タイトルは「美術館におけるアニメ・漫画を利用した企画展について」です。近年、アニメ・漫画を題材とした企画展が全国各地の美術館を巡回するという事象が見受けられます。例えば、­2008年より開催されている「スタジオジブリ・レイアウト展」は年に2、3館の地方美術館を巡回します。また「ジブリの大博覧会」は2015年「愛・地球博」での記念公演以降、毎年各地の美術館を巡回しています。なかでも後者は、スタジオジブリの30年間の歩みを豊富な資料や展示物により体感できるものとして、人気の高いイベントとなっています。「2017年九州・山口エリアでの展覧会入場者数ランキング」(1)によると、大分県立美術館での「ジブリの大博覧会」が最も多い194,564人で、続く2位も長崎歴史文化博物館での「ジブリの大博覧会」の150,000人となります。このようにアニメ・漫画を題材とした企画展はイベントとしての話題性もあり、高い集客数を記録しています。



2017年長崎歴史文化博物館「長崎ジブリイヤ-」のチラシ広告

【2017年長崎歴史文化博物館「長崎ジブリイヤ-」のチラシ広告】



  そもそもこのテーマを選択した学生は、普段からアニメが好きで、アニメが人びとや社会に与える影響力や経済効果に関心を寄せていました。また過去にこの企画展に行った経験もあり、「多くの人を惹きつける企画展の魅力とは何か?」という疑問からテーマの着想を得ています。この学生は今後展示内容や広報・広告戦略を調査する予定です。



  さて、私のゼミは生活経営学研究室ですので、研究テーマにおいては経営・経済・マーケティングの視点を含むものとなります。例えば、前述した「アニメ・漫画を題材とした企画展」というテーマでは、アニメや漫画というソフトパワーの影響力の問題だけでなく、美術館・博物館運営に関するアートマネジメントや経営管理の問題も検討します。またデータとして扱う「来館者のニーズ・満足度、集客数」といった指標はマーケティングの基礎的な概念でもあるので、それらに対する分析と考察は必須です。ちなみに当ゼミの他のテーマでは「古着が創造する新たな価値について」「男性アイドルグループの人気とメディア戦略の関係」「東京ディズニーリゾートにみる顧客に向けたアトラクションの魅力と戦略」というタイトルが並びますが、これらもまた同じくマーケティングやマーケティング・コミュニケーションの視点を分析や考察の切り口とします。



  最後になりますが、大学での研究テーマは学生皆さん自身の具体的な体験や素朴な疑問からスタートすることが少なくありません。しかしながらこうした個人的な経験や疑問から端を発した問題でも解明する意義は十分にあります。人間生活学科の学びでは、多様で複雑化する社会のなかで広い学問的視野を得ながらバランスのとれた知識や考え方の習得をめざします。このような学びを通じて、自分が設定した研究テーマのもつ社会的意義や課題を発見し、深く考えることができるでしょう。今後、私も学生の皆さんとともにさまざまな問題について考え、議論し、学んでいきたいと考えています。



(1)ARTNE*編集部による調査。対象期間:2017年1月以降に開会~2017年12月。調査対象施設:当サイトの美術館・博物館リスト登録館に5万人以上動員した展覧会のヒアリングを実施し、回答があった館のみ掲載。一部の館は公開用の概数。(*九州、山口エリアの展覧会情報&アートカルチャーWEBマガジン) 出典:アルトネ編集部,「コラム2017年九州・山口エリアでの展覧会入場者数ランキング」(2018/01/09),https://artne.jp/column/268,2018年6月16日閲覧

私たち平松ゼミは、3月15日に広島市で人権・平和学習をしてきました。

広島文教女子大学の溝渕先生の御案内で平和記念公園、原爆ドームや原爆資料館を見学し、戦争が最大の人権侵害であること、どのような大義名分があろうが大量破壊兵器である核兵器の使用は勿論のこと開発もするべきではないことを学びました。「百聞は一見にしかず」とは嚆矢を得た言葉で、展示物や写真は、平和な毎日を過ごしている私たちの心奥深くに衝撃的な事柄として刻み込まれる思いを禁じ得ませんでした。溝渕先生の親切で温かい人柄と丁寧な説明に、人と接する姿勢も学ばせて頂きました。その後、広島のお好み焼き村での昼食は、ことのほか美味しく、平和のありがたさを実感致しました。





さらに学習はもちろんですが、得たものはほかにもあります。片道3時間かけて在来線で広島から岡山の電車の中でいろいろな話をすることができ、ゼミのメンバー同士の絆をより深めることに繋がりました。このゼミでよかったと思える意義ある旅となりました。

こうした体験を次は広島文教大学の溝渕ゼミの学生さんを招き、邑久長島の、邑久光明園、長島愛生園において、ハンセン病の回復者の皆さんが受けた人権侵害の歴史から、差別が人々の人生に過酷な重荷を負わせてきたのかということを共に学び、過ちを二度と繰り返さない取り組みについて共同研究を実施して、社会に問いかけたいと決意いたしました。

平松ゼミに入って良かったと、改めて感じました。

平松ゼミ 4年 中塚世菜

 制作依頼のあったヨゼフホールの目隠しカバー(たて0.7m・よこ4m)が約2ヶ月をかけて完成いたしました。

ヨゼフホール目隠しカバー

 これは、児童学科美術研究室絵画コース(片山裕之教授)3,4年生のみなさんのデザインをもとに、被服構成及び実習Ⅰの受講生である人間生活学科の吉岡万里奈さん、小森翔子さん、新山佳奈さん、青木円香さん、井上真稀さんを中心に他14名の有志がパッチワークキルトで制作したものです。

児童学科絵画コース3,4年生によるデザイン児童学科絵画コース3,4年生によるデザイン

 ご存じのように、岡山県は国産デニム発祥の地で世界的にも有名な高品質デニムの産地です。そこで本学が岡山県にあることから県産品であるデニムを目隠しカバーの素材として使用することとし、県内のデニム産地の一つである児島産デニムを選びました。

 生地は、数名の学生が児島のデニム生産会社まで出向いて選びました。縦横の十字架を表す直線部分の濃いブルーの生地には、ジーンズファンに人気の「赤耳」と呼ばれるセルビッジデニムを使用することとし、それら生地の色の中から本学の紋章の地色(聖母マリアの色)に近いものを選んできました。また、デザイン画の白い部分には本学の建物の色に溶け込むように白とベージュのデニムを選んできました。これらのデニムは、手縫いでキルティングするには厚すぎるものもあったため、手縫いとミシンを併用してキルティングすることにしました。

 まず、白い部分の制作です。デザイン画の白い部分をアレンジして白とベージュの三角形のピース(各252枚)をつなぎ合わせて長方形のピースを作りました。次に、この長方形のピースを濃いブルーと薄いブルーの縦横の直線部分のピースとつなぎ合わせて1枚の布にしていきました。全てのピースをつなげて大きな2枚の布にした後、それぞれにキルト芯をあて、ブルーの直線部分はミシンでキルティングし、白とベージュの三角形のピース部分は手縫いでキルティングしました。

ミシンによるキルティング手縫いによるキルティング制作の様子

 その後、できあがった2枚のキルトを合わせて、濃いブルーのセルビッジデニムで縁取りを行い、完成させました。この縁取りに「赤耳」と呼ばれるセルビッジの証を見ることができます。

ヨゼフホール階段から見た目隠しカバー

 この目隠しカバ-を制作することによって、彼女たちも多くのことを学び、力をつけてくれたようです。みなさま、どうぞ彼女たちの力作をご覧下さい。

 本日(3/15)、第30回社会福祉士国家試験の合格発表が行われました。今年の全受験者は43,937名で、うち13,288人の合格でした(合格率30.2%)。

 人間生活学科社会福祉士課程では、4年生12名が受験し3名の合格でした(合格率25.0%)。既卒者は11名が受験し3名の合格でした(合格率27.3%)。

 詳細はこちら(厚生労働省報道発表資料)をご覧ください。

 これまで3回にわたって、社会福祉士を目指す学生によるボランティアグループ「ひょうたんの会」(ろがる、ろこび、れしい、のしい、ボラティア)の活動を報告してきました。先輩たちの活動は後輩に引き継がれ、今年度も、地域のイベントや施設などで活動を続けています。

ふれあいまつり2017
ビー玉万華鏡づくりのブース出展
伊島学区コミュニティ協議会主催イベント
恋ダンス踊りました~


 社会福祉士課程では、他にも、学生と一緒にさまざまな取り組みを行っています。今回は、今年度の取り組みの中から、「認知症カフェ」と「さまざまな福祉活動に取り組む団体」への取材について報告します。

【認知症カフェへの取材】

 私たちは現在、「認知症の人と家族の会岡山県支部」が取り組む「認知症カフェMAPパンフレット」作成プロジェクトに参加しています。岡山県内の「認知症カフェ」を取材し、パンフレットにまとめるというものです。家族の会のメンバーと岡山県内の福祉や看護を学ぶ大学生がグループになって取り組んでいます。今年度は報告集を、来年度はパンフレットを作成することになっています。

「認知症カフェ」

 「認知症カフェ」は、「認知症の人や家族、地域住民、専門職等の誰もが気軽に参加できる集いの場」です。喫茶を楽しんだり、情報を共有したり、講座を聞いて学んだり、いろいろなことができます。
 認知症という言葉自体は社会に広まっていますが、必ずしも正しく理解されているわけではありません。社会の理解が進んでいないことによって、周りに相談しにくかったり、地域社会に出ていく機会が少なく、認知症の人もその家族も閉じこもりがちになったりしている現状があります。また、役所や病院などで相談することもできますが、「ちょっと不安」とか、「ちょっと話を聞いてもらいたい」といったときに、一般市民が気軽に相談することは難しいのが現状です。
 「認知症カフェ」の魅力の一つは、認知症の人やその家族、地域住民が中心となって運営している点です。理解のある環境で誰もがほっとできる居場所、悩みを共有したり情報交換したりすることができる場です。もちろん、専門機関や専門職のバックアップもあるので、専門的な相談も可能です。実際に参加者に話を伺うと、「これから何か困ったことがあっても、顔見知りの専門家に相談できるから安心」と言われていました。高齢社会において、このような場所が身近にあることで、気軽に相談することができ、また、地域社会の認知症への理解醸成に繋がると思います。

カフェの様子 手作りスイーツも♪♪

【さまざまな福祉活動に取り組む団体への取材】

 もう一つは、福祉活動に取り組む団体への取材です。福祉のサービスは制度化されているものもありますが、残念ながらそれだけでは不十分です。そういった、いわゆる制度の狭間といわれる課題に取り組み、さまざまな福祉活動をしている団体がたくさんあります。グループで関心のある分野の団体を調べ、アポイントをとって取材し、記事にまとめて情報発信をしています。今年度は、「NPO法人子育て応援ナビぽっかぽか」「岡輝みんな食堂」「NPO法人岡山県自閉症協会」「NPO法人元気交流クラブたけのこの家」「NPO法人すたんど」の6団体に取材に伺いました。記事は、「ゆうあいセンター(岡山県ボランティア・NPO活動支援センター)」の「 Social Good なウェブマガジン ボランピオ」2018年3月号に掲載されます。是非、関心のある方は、そちらをご覧ください。

【現場で学ぶ】

 福祉を学ぶ学生にとって、教科書等で学ぶことも重要ですが、現場を訪れ、生の声を聴き、体験することも重要です。たくさんの方々に出会い、学生たちは福祉への理解を深めていきます。また、自分たちが理解を深めることも大切ですが、福祉に関する正しい知識を社会に発信していく広報・啓発活動も社会福祉士の重要な役割です。これからも学生と一緒に活動していきたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。