2017年7月1日、カナダは建国150周年を迎えます。カナダ連邦は、プリンス・エドワード島の州都シャーロットタウンでの1864年の会議がもとになり、1867年7月1日に誕生しました。この建国記念日を前に、さまざまな行事が企画されています。(「建国150周年記念特設ページ」参照)

Charlottetown Conference (1864)の出席者たちCharlottetown Conference (1864)の出席者たち
(Library and Archives Canada/C-000733)

 プリンス・エドワード島は、『赤毛のアン』(Anne of Green Gables, 1908)で一躍、作家としての名声を確立したL・M・モンゴメリ(L. M. Montgomery, 1874-1942)の故郷です。カナダ文学の中で最も一般に知られているのが『赤毛のアン』ということは、カナダ最大の書店Indigoが行った、建国150周年記念の人気書籍アンケートで一位を獲得したことでも明らかです。
 ところで、日本では、2017年5月から新しい『赤毛のアン』の映画が公開になりました。エラ・バレンタイン(Ella Ballentine)主演で、アメリカの名優マーティン・シーン(Martin Sheen)をマシュー役に迎えた映画です。これは、モンゴメリの孫ケイト・マクドナルド・バトラーが(Kate Macdonald Butler)が製作総指揮を務めたことで話題になっています。また5月12日から、もう一つの『赤毛のアン』の映画が全世界同時ネット配信されました。邦題「アンという名の少女」(原題"Anne with an E')で、エイミーベス・マクナルティ(Amybeth McNulty)主演のNetflix制作ドラマです。アンが孤児であるために背負う負の部分を掘り下げた作品と言われています。かつて人気を博したミーガン・フォローズ(Megan Follows) 主演のカナダ映画(1986)とはまた違ったアンが、競演されているのです。

エラ・バレンタイン主演の映画(2017) エイミーベス・マクナルティ主演のネットリックス映画(2017)
エラ・バレンタイン主演の映画(2017) エイミーベス・マクナルティ主演の
ネットリックス映画(2017)

ミーガン・フォローズ主演の映画(1986)

ミーガン・フォローズ主演の映画(1986)

 2017年に公開された二つのアンの映像化は、独自の解釈によって翻案されていて、小説『赤毛のアン』の分析にそれぞれ、一役買うことになるでしょう。岡山では6月17日からエラ・バレンタイン主演作が映画館で観られます。本学の生涯学習センター主催フェリーチェ講座において、「赤毛のアンの世界――作者モンゴメリとその作品をもっと知る――」の講師を務めている私は、6月24日(土)の第二回の講座「コーネリア・ブライアント――アン・ブライスの良き友――」終了後、受講生の有志の皆さんと映画を観に行く予定にしています。アン・シリーズにおける愉快な独身女性への理解を深めた後で、シリーズのもととなった第1作を映像で楽しむのはいかがですか。映画鑑賞の後、原作や翻案への感想を語り合うのもいいですね。
 文学作品をきっかけにカナダという国への関心をもち、異文化への理解を深めることは人生を豊かにし、生活を楽しくします。英語の学習にも役立てることができます。あなたの想像するアン・シャーリーに一番近いのは、複数あるアン・シリーズの文学作品や映画の中のどのアンでしょうか。また、あなたは、建国150年を迎えるカナダについてどれだけ知っていますか。


2017年
05月11日

フランスのこと

フランスのこと                                                  福島富士郎

                         

アメリカのトランプ大統領の出現を多くの人が驚きの思いで受け止め、彼の内向きの言動が世界を揺るがしていますが、ヨーロッパでも似たような大きな政治的揺れが起こっています。今月、フランスの大統領選挙が中道派のマクロン候補の勝利で終わって、多くの人がほっとしていると思います。外国人に対して排他的な考えを持つ極右のルペン候補が大統領に当選したら、どうなってしまうのだろうかと心配しました。

 

私は1981年~2年の1年間パリに留学していて、パリ14区にある大学都市に住んでいました。そこにはいろんな国が建てた留学生のための寮があり、私はドイツ館、次に日本館に住みました。そこにはいろんな国からの留学生がいて文字通り国際的な雰囲気の中で暮らしていました。

 

そのような中で、フランスの外国人に対する寛容さを感じた出来事がありました。当時、イランではホメイニ師によるイスラム原理主義の政治が行なわれ、それ以前のパーレビ国王による政治体制が崩壊し、パーレビ国王はフランスに亡命していたのです。そのような中で、フランス在住のイラン人でホメイニ政権に反対する人と、その政権を支持する人たちが大学都市の前の道路で、両側の歩道に立ってそれぞれ相手を非難する声を上げていました。イランの政治のことをイラン人がフランス国内で対立する示威行動をしている。このことがとても印象的でした。つまり、よそ者が自分の家の庭でお互いに言い争いをしているのをフランス人は許している寛容さがあるように見えました。因みに、パーレビ体制下で亡命せざるを得なかったホメイニ氏が行った国もやはりフランスでした。フランスには旧植民地出身の人たちもたくさん住んでいます。

 

寛容に見えるフランスも以前は、アフリカに植民地を持って現地の人々を支配し、独立を目指すアルジェリアとの戦争も経験していたのです。また、アジアではベトナムがフランスの植民地になっていたことがあります。私がフランスのどこだったが忘れましたが地方の駅のホームに居たらおじいさんが話しかけてきて、ベトナムに行ったことがあると言っていました。観光旅行で行ったのではなく、辛い感じで話をしていたのでベトナムとの植民地戦争で行ったという話をしていたと記憶しています。そのおじいさんに「私は日本人です」と言っても、日本がどこにあるか分からなかったようです。そのおじいさんにとってアジア人はベトナム以外は考えられなかったかもしれません。

 

国際化の中にあって、たくさんの人が外国の言葉を学びたいと思っていますが、その国のことを知るには言語や現在の状況だけではなく、過去の歴史を知ることも必要だと思います。英語英文学科でも文学履修コース、英語学言語学履修コースに加えて、国際コミュニケーション履修コースを新たに設けましたが、これらのコースでは語学力は勿論のこと、外国の歴史、文化などの深い理解も必要です。

 

The past five years have seen significant increases in awarness of, and appreciation for, Extensive Reading (ER). Extensive Reading involves the students reading accessible, easy materials to build fluency and automaticity of language recall.  This means students read a lot of texts (often graded readers) quickly to build reading speed. This allows students to read better because they read for meaning rather than to decode text, thus when students read faster they remember more and enjoy what they are reading more.

NDSU has made massive strides in the past few years to build up its graded reader library and resources centres and how all first and second year students in the university are required to read several books each year. The University library now has thousands of books for language learners (language learner literature) as well as many books for younger teens.

Each year students report they enjoy this reading (even if they find it hard to find time in their busy lives), but not all students prefer to read. Many prefer to listen, so NDSU has hundreds of CDs and audio recordings for students to listen to. In the future my hope is that more books will become available at NDSU and that we can continue to research the reading habits so we can better understand our students and their needs.

These developments in Extensive Reading are being mirrored all over Japan with many schools and universities opening Extensive Reading programs. But overseas we are seeing immense initial interest in reading extensively. My recent workshops in Taiwan, Korea, Thailand, Vietnam and Indonesia all have demonstrated interest in ER and many schools are starting to open their first ER programs. Over time and as interest grows, and the word gets out, I expect most private institutions in North and East Asia will have ER programs within the next ten years.  As always, the public programs are harder to develop dues to administrative red tape, curriculum barriers and the lack of state funding. But it is my hope that these too will join the ER bandwagon.

もう20年前ほどになるだろうか、キャンベラにあるオーストラリア国立大学で1年ほど過ごした。シドニーとメルボルンの2大都市がわが方こそ首都とお互い譲らず、妥協策として両都市間の中間の放牧地帯に作られたのがキャンベラである。これは有名なエピソードであるが、キャンベラを首都に選定したもう一つの理由は、海岸部では外敵からの侵入を受けやすいということである。自己防衛の意識は、キャンベラの都市設計にも見られ、国会等の首都機能を有する施設に至るには、間に横たわるバーリー・グリフィン湖に架かる2本の橋を渡るしかないように設計されている(地図参照)。

 

キャンベラの地図

 この懸念はあながち杞憂でもなかった。オーストラリアの歴史の中で本土が攻撃されたのは2度あるが、それは日本軍による19422月のティモール海沿いの都市ダーウィンへの空爆と、同年5月の潜航艇によるシドニー湾攻撃であった。キャンベラにはその歴史を伝えるために戦争記念館があり、今では観光スポットの1つとなっている。

こうした日本との暗い因縁もあるが、キャンベラ自体は大自然のなかに首都機能が移転されたので、「森の中の首都」(ブッシュ・キャピタル)とも言われている。実際そこで暮らしてみると、自然の中の都市であることが実感できる。「野生動物注意」の道路標識がそこかしこに見られ、大学寮の裏山には野生のカンガルーがピョンピョンと跳ねている光景を日常的に目にしたものである。予想以上に大きなカンガルーと出くわした時には、進退窮まって手に汗握ったものである。加えて、キャンベラはアメリカの建築家ウォーター・バリー・グリフィンの都市デザイン案によって建設された典型的な計画都市であるため、自然と議事堂や省庁といった建物が程よく調和し、道路網は整然と整備され、非常にクリーンで美しい都市である。

「森の中の首都」という異名と共に、アボリジニの言葉で「キャンベラ」は「出会いの場」を意味し、人口30万強と小規模の首都ながらも、外国人が多く集う場でもあった。学生寮にも特にアジア諸国からの留学生が多く住んでいた。大学では比較文化を主に専攻していたが、寮にて彼らとその実践編という体験を色々したことは良き思い出である。仲の良かったネパール出身の学生がもてなしてくれたカレーを彼の流儀に倣って、スプーンを使わず右手だけを使って食べることが至難の業であることを知り、学生時代に部活動していた関係で少々腕に覚えのあった卓球は、大して上手くないという中国人学生との試合によって、その自信も木っ端みじんに吹き飛ばされた。共用の冷蔵庫に入れていた卵のパックは夜の料理時には姿を消しており、その傍らの、チェーンで巻かれた食材を目にして、食料防衛の必要性を痛感した次第である。短い期間ではあったが、こうして振り返ると、大学以外でも多くの異文化の学びがあった。

2017年
02月15日

Planting Flowers│Lyn Swierski

Planting Flowers
Lyn Swierski

2016 was a dark and difficult year around the world.  In my home country, the United States, we endured a depressing presidential campaign and the election of a person that most of the world views with fear and uncertainty.  The heart-breaking refugee crisis, continuing terrorist attacks, the rise of right-wing politicians, and the deaths of far too many beloved public figures, including our own Riji-cho, Sister Kazuko Watanabe.

I found myself at the beginning of 2017 with a feeling of great heaviness, and very little hope in my heart.  How can we continue to move forward in this uncertain time?  Where are we heading?  I could try to imagine, but none of my imaginings were very positive.

Then, in early January, I saw this little cartoon online: 

My first thought was to say, "Ha ha. I see.  The only thing we can be sure of, is what we do for ourselves.  Got it."  It took a few seconds for the second meaning to reach me... and then I smiled, and realized how simple the message is: the gardener is expecting something beautiful to come, because he has planted something that will be beautiful. Flowers don't spring up automatically, and you can't expect them to just magically appear to make your life brighter.  If you want to be surrounded by "the positive," you, yourself, have to make the effort and do all you can to make sure that will happen.

We have little control over world events, of course, but we can choose how we spend our time and energy in our daily lives to make our world a more positive place.  Mother Teresa said,

"We cannot do great* things while on this Earth,
but we can do small things with great love."

 (* "great" here means "big")

It's up to you, and me, and each one of us.  So go out there and plant some flowers!  It's almost certain that something positive will follow.

(I actually couldn't find the cartoon when I went back to look, so asked one of our graduates, Megumi Iwaskai-Makino, from the English Drama Club, and Jidogaka, to draw this cartoon.  Thank you, Meg!)