児童学科ブログ 第35回

絵本のたのしい運び屋さん! ─ 文化学研究室

村中李衣 教授

三宅一恵 講師

  

 児童学科の文化学研究室では、児童文学・絵本をはじめ、子ども達を取り巻く文化について研究しています。

 この文化学研究室に、「面展台」5脚が届きました。

 面展台(めんてんだい)とは、本の表紙を平置きで見せるための展示台です。

 今回研究室に導入したものは、段ボールを使った手作り品で、奈良在住の絵本研究家・加藤啓子さんが紹介されています。何しろ軽いことと、シンプルで絵本の表紙の美しさを引き立てることができるのが特徴です。

 幼稚園や保育園、様々な施設での絵本読みの場面や、被災地での読みあいワークショップ、図書館や小学校でのブックトークの場面など、どこにでも持ち運べ、さっと会場づくりができるので、全国あちこちで、活躍しています。

 これは、村中が、東北の被災地で絵本の読みあいを行ったときに用いた面展台です。

 ぜひ、本学にも置きたいなぁと考えていたら、たまたま瀬戸内市にあるボランティア団体「パトリシアねっとわーく」のみなさんが、実際に制作のワークショップを催され、その完成品の一部を分けていただくことができました。

 ほら、このとおり! 華奢な三宅先生でも、素早くセッティング。

「軽〜く持ち上げられます。」

横から見ると、こんな感じ。

 絵本なら大型本でも、6冊は悠々飾れます。

 春浅い今の季節にぴったりの絵本を飾ってみました。

 ほら、どんな絵本か知りたくなりませんか?

 せっかくですから、少しご紹介しましょうね。

 

『はなをくんくん』

 ルース・クラウス 文 マーク・シーモント 絵 きじまはじめ 訳 福音館書店

 雪深い森の中にも、かすかな春の気配が。くんくん、くんくん、すこしずつ、すこしずつ、みんなの好奇心が集まって......

 ちいさな春の喜びを動物たちといっしょに分かち合える一冊です。

 

『ライフタイム』

 ローラ・シェーファー 文 クリストファー・サイラス・ニール 絵

 福岡伸一 訳 ポプラ社

 生きていること、生きていくことには、いくつもの約束事がある。その約束事の中に潜む数字が語る秘密に、驚いたり胸打たれたり。

 「なぜ?」の心を育てるきっかけにもなります。

 

『たねのはなし』

 ダイアナ・アストン 文 シルビア・ロング 絵 千葉茂樹 訳 ほるぷ出版

 春になれば色とりどりの花ばかりが注目されがちですが、実はその花の源、種こそとってもおしゃれでかしこいのです。

 世界で一番小さい種は、ランの種。ひとつのさやに100万個の種が詰まっているんですよ。植物のミクロの世界へわくわくGO!

 

『ぽとんぽとんはなんのおと?』

 神沢利子 作 平山英三 絵 福音館書店

 外の世界を知らない穴の中のこぐまたち。春が近づくにつれ聞こえてくる音を母さんぐまに尋ねるたびに、優しく教えてくれます。

 耳を澄まし、匂いをかぎ、言葉をかわし、想像をめぐらすことの楽しさを感じられる一冊です。

 

『ぴたっ!』

 あずみ虫 作・絵 福音館書店

 だーい好きな人と「ぴたっ!」とくっつくたびに、匂いや、やわらかい感触、息遣いが聞こえ安心感に包まれますね。

 親子でこの絵本を見ていると、「ぴたっ!」とお家の人にくっつく子どもたちのかわいい姿が見られます。

 

『ふゆめがっしょうだん』

 冨成忠夫・茂木透 写真 長新太 文 福音館書店

 いろいろな表情の顔・顔・顔......と思ったら、なんとそれは、じっと春を待つ木の芽の拡大写真!

 読んでもらった子どもたちは、さあ、外に飛び出して、いろんな顔に出会いに行くことでしょう。

 

 新しい季節の扉を開けるみなさんの思いに寄り添える絵本をいっぱい載せて、面展台ががフル稼働しますように!

 

 

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児童学科ブログ 第34回

クリスマスのおくりもの ─ 音楽研究室

 

 2016年12月、児童学科・音楽研究室の3・4年生が作り上げた、クリスマス・コンサート。

 子ども達と家族に楽しんでもらったコンサートへの取り組みと、当日の様子を、写真でお伝えします。

 ■ ■ ■ ■ ■

 

 昨年度のクリスマスコンサートを終えて、新4年生はすぐに台本作りに取り掛かります。いろいろな案が出ましたが、今年度のタイトルは「クリスマスのおくりもの」。テーマは、どんな人にも良いところがあり、ありのままの自分でいい! に決定です。4月になったら、物語のあらすじが3年生に伝えられ、4年生からアドヴァイスを受けながら3年生も初めての台本作りに取り組みます。

 夏休みまでに台本、作詩・作曲、大道具・衣装などのデザインを決定します。そして、夏休みに入ると、岡本直行先生(新見公立短期大学准教授)をお招きしてのご指導も受けながら、大道具制作に取り掛かり、同時進行で小道具、衣装制作も行われます。音楽研究室は、演奏だけしているイメージがあるかもしれませんが、電動ドリル、のこぎり、トンカチからミシンまで器用に何でも使いこなし、舞台に関わることすべて研究室のメンバー全員で作り上げていきます。夏休み明けからは演技や音楽の練習に取り組み、12月になると照明や音響をつけての最終の仕上げに取り掛かります。

 さあ、今年度のストーリーです。

 まず第一幕はおもちゃランド。もうすぐクリスマスを迎えるおもちゃランドでは、おもちゃたちが、サンタさんに子どもたちのところへ連れて行ってもらえるのを楽しみにしています。しかしロボットのライアンだけはなぜだか元気がありません。みんなが自分のいいところを自信を持って紹介している姿を見て、自分に自信がもてないライアンはその場から逃げ出してしまいます。

 第二幕、おもちゃ工場。おもちゃランドを逃げ出したライアンは、自分を作ってくれたおもちゃ工場の住人アタフと出会い、おもちゃ工場へ行くことにします。おもちゃ工場では、今年プレゼントされる最後の2体を作っているところでした。

 残り一体になったとき、急に雷が落ち、人形に命を吹き込む装置が壊れてしまいます! 急がないとサンタさんが来るまでに人形を完成できません。みんなはしばらく使われていなかった古い装置があることを思い出します。しかし、全員で動かそうとしてもさびついて動きません。みんなは力持ちのライアンに助けを求めます。最初は自信のなかったライアンもみんなの必死の説得に、試してみることにします。

 ライアンのおかげで機械も動き出し、最後の一体もついに完成します。そこでライアンは、小人たちが願いをこめて自分を作ってくれたこと、そして、自分にもいいところがあることを知ります。自分らしさを取り戻したライアンはおもちゃランドへ戻り、子どもたちのところへ届けられるのでした。

 コンサートの最後はメンバー全員でのクリスマスメドレーです。このような一年にも及ぶ創作活動を通して、学生たちはゼロから創造する楽しさや、みんなで一つの作品を完成させる喜びを感じていきます。そして、子どもたちの喜ぶ姿を見て、「苦労して作ってきて良かった」という達成感も味わい、大きく成長していきます。

 

今年の子どもたちへのプレゼント。毛糸で作ったクリスマスツリー。

 

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児童学科ブログ 第33回

保育園を訪れて ─ ある日の見学実習から

 

 2016年、秋。

 児童学科・保育士課程の2年生が、保育園での見学実習を体験しました。

 

 園長先生から、保育の中で大切にしていることを伺います。

 0・1・2歳の子ども達には、一人ひとりの生活リズムと信頼関係を大事にする「育児担当制」をとっています。

 3・4・5歳クラスは、「異年齢保育」。子ども達どうし、大きな子が小さい子の面倒を見たり、一緒に遊んだり、互いに世界を広げていきます。

 

 0歳児のクラスでは、子ども達が発達にあった遊びを楽しむ中に、学生たちも自然と溶け込んでいきました。

 

 優しく、心を込めて、子ども達とかかわるとは、どんなことか... 触れ合う中で学びます。

 

 1歳児のクラスでは、発達に応じた遊びと生活の環境が用意されています。歩き始めた子ども達のために、室内でも体を使って遊べるよう、工夫されています。

 

 2歳児クラスでは、子ども達の目線で、絵本を一緒に読んでいます。

 2歳の男の子が、おせんべい屋さんを開店。学生のために、腕を振るって焼いてくれるところです。

 

 3歳以上児・異年齢保育のクラス。子ども達の遊びの世界に誘われます。

 

 3歳以上児のクラスでは、子ども達が豊かなイメージで表現できるよう、遊具の幅もさらに広がっています。

 

 もうすぐ運動会。園庭での遊びに、学生たちも加えてもらいました。

 

 

  

 ほんのひと時の出会いの中にも、親しく心が交わされるのが、子ども達の世界です。

 

 日々の保育の中には、子ども達を想う心と、0歳からの子ども達にかかわる専門性が生きています。

 それが具体的にどんなことなのか、体験と実感を通して、子ども達との嬉しい出会いを通して、学ぶことができました。

 

 11月には、はじめての保育実習が行われます。今日の体験は、きっと新たな実習の中にも生かされることでしょう。

※ 掲載にあたっては、園からのご了解をいただきました。ありがとうございました。

 

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児童学科ブログ 第32回

特別支援学校での見学実習が行われました

  

■ 2016年 秋晴れの日に

 児童学科では、小学校、幼稚園、特別支援学校、保育士など、教育・保育にかかわる免許・資格を取得することができます。

 2016年、秋晴れの日、特別支援学校教諭の一種免許状取得をめざす4年生59名が、「岡山県立岡山支援学校」での見学実習を行いました。岡山支援学校は、1961年に開設された55年の歴史をもつ肢体不自由特別支援学校です。

 特別支援教育については、多くの授業が用意されていますが、今回の見学は「重複障害児教育」の授業の一環として行われました。

 今日はこの見学実習の様子をお伝えします。

 

 まず、全員で校長先生のお話をお聞きしました。

"障害程度別の多様な教育方法と環境・設備をしっかり観てくださいね"

 ちなみに、校長先生は本学・特別支援教育・児童福祉学研究室の卒業生です。誇れる先輩です。

 また、本校には、児童学科の近年の卒業生も4名、教員として勤務しています。

 

 次に3グループに分かれて、最初はそっと授業風景を見学させていただきました。

 一人ひとりの児童生徒に合わせた、車椅子や歩行器が用意されています。

 集団の中で、個別指導も同時に行われています。

 栄養バランスが考えられた、今日の給食です。

 体温調節が難しい児童生徒もいます。検温は、体調管理の基本です。

 自立活動の指導(感覚の学習)の様子も見学させていただきました。

 一年中使える温水プールもあります。

 学校と廊下でつながった寄宿舎から通う児童生徒もいます。

 寄宿舎では、児童学科の卒業生2名が、指導員として勤務しています。

 特別支援教育について学ぶ、貴重な機会となった一日でした。

※ ブログでの報告・写真の掲載について、岡山支援学校よりご承諾をいただきました。

 ありがとうございました。

【特別支援教育・児童福祉学研究室について】

 児童学科では、子どもについて、多様な観点から学ぶことができます。そのうちの一つが、この研究室です。

 子どもの発達・障害・福祉にかかわる問題を研究しています。今年度から、これまでの「治療教育学・児童福祉学研究室」の名称が新しく変更され、「特別支援教育・児童福祉学研究室」となりました。

 児童学科では、どの学生も、必要な授業と実習を経て、特別支援学校教諭の一種免許状を取得することができます。

 さらにこの分野に関する学びを深めたい学生は、この研究室で卒業研究を行うことができます。


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児童学科ブログ 第31回

石原金由先生の研究室を訪ねて

湯澤美紀 准教授(心理学研究室)

 

 心理学研究室の湯澤美紀です。 前回は私のゼミの様子をお伝えしましたが,今日は,私の研究室の赤い暖簾(のれん)をくぐりぬけ,

てくてく

  てくてく

 目の前の青い暖簾へと歩みを進めます(学生からは男湯,女湯と呼ばれていたり)。

 ふむふむ。今はお昼寝ではないようで(笑)。でも,いずこに?

ノックノック♪

 「はーい」の声が!そこにおられるのは石原金由先生。睡眠研究の大家です。

 

 現在は夏休みなのでリラックスした格好ですね。普段は白いパンツで,バシッと決めています(何十年もブレていません)。

 

 先生のご研究は,睡眠と生活習慣。幼児期から成人に至るまで,幅広く研究に取り組まれています。しばし,研究談義♪関心の重なるところも多く,私にとっても勉強になります。

 

 そして,近年出版された論文群(外国雑誌もこんなにあるなんて,スゴイ!)。

 スポーツマンで,気さくな人柄。何て言うのでしょう。温かいんですよね。いつも机の上には学生のレポートがつまれていて,用事で先生のお部屋をお訪ねすると,土曜日などにも黙々と添削をされている様子をお見かけします。

 

 手を抜かれないのです。研究も。学生指導も。

 

 大学教員として目指していきたい姿です。

 

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