児童学科ブログ 第40回

「子どものことばと心の育ち」 今井和子先生の講演から

 2018年7月15日、保育講演会が開催されました。
 ノートルダム清心女子大学・児童学科では毎年、講師の先生をお招きし、保育について学ぶ機会としています。一般の方々、現場で保育に携わる先生方にもご参加いただきました。

 

ノートルダム清心女子大学 保育講演会
子どものことばと心の育ち

講師  今井和子 先生
 子どもとことば研究会代表
 元・立教女学院短期大学教授

 

 今井和子先生は、保育者を23年間つとめたのち、保育者養成に携わり、実践研究を積み重ねてこられました。『自我の育ちと探索活動』『ことばの中の子どもたち』など多数の著書には、子ども達の姿が生き生きと描き出されています。

 

 今回のご講演では、誰の心をも動かす詩のような子ども達のことばを、たくさん挙げていただきました。子ども達と保育をずっと見つめ続け、その魅力に引きつけられて記録をとり続けてきた今井先生。私達にとっても、その楽しさを実感できる時間となりました。

 

 「子どもは、物事の本質的な部分を手づかみで感じ取っている」。

 今井先生も、出会う人それぞれと心で触れ合うことを大切にされていることを感じさせられました。本質に出会うことから、なぜだか楽しみが生まれてくる。それが、「子ども性」という、人間の原点にある力なのかもしれません。

(文責:児童学科 西 隆太朗)

 

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児童学科ブログ 第39回

京都奈良研修旅行 ─ 美術研究室

小田久美子 准教授



美術研究室(美研)では、3年生の授業で西洋美術と日本美術について学びます。そして美研所属の新4年生は、毎年4月に、京都・奈良へ3泊4日の日本美術研修旅行に出かけます。この行事の歴史は古く、児童学科開設の後4年目から始まったことから計算すると、ちょうど50年の伝統を持つと言えます。
2018年も、4年生19名と片山裕之学科長と小田久美子の教員2名で、4月11日に出発し4日間の行程を無事終えました。
研修で訪れた寺院・博物館を順番に並べると以下のようになります。

京都国立博物館(特別展)-三十三間堂-岩船寺-当尾の石仏-浄瑠璃寺-興福寺-新薬師寺-十輪院-元興寺-東大寺南大門-東大寺ミュージアム-東大寺大仏殿-法華堂-二月堂-戒壇院-奈良国立博物館-聖林寺-石位寺-大野寺(弥勒石仏)-室生寺-法隆寺-中宮寺-薬師寺-唐招提寺-秋篠寺

写真とともに古美術の旅の雰囲気を少しでもお伝えできればと思います。


京都 岩船寺と浄瑠璃寺の周辺にある石仏を巡ります。平安時代や室町時代というずっと昔の人々が磨崖仏に寄せた思いを感じながら、進みます。当日の天気予報は雨、しかし雨あしは強くならず、むしろ過ごしやすい快適な山歩きになりました。

 2日目は1日中徒歩移動です。奈良市内をぐるりと歩いてその歩数24000歩!新薬師寺に向かう道すがら、鷺池の浮見堂を通って水琴窟に耳を傾けました。

大野寺の前の川のむこうに巨大な磨崖仏があります。河原まで降りて拝観しました。あぁ、よいお天気だこと!

フェノロサによって明治20年に秘仏の封印がとかれたという、十一面観音についての片山教授からの説明を、学生たちは真剣に聞きます。国宝や重要文化財の持つ力強さに圧倒されながら、若い感性で受け止めているように見えました。この旅では、「ほんもの」に触れるだけではなく、多視点的鑑賞方法、真剣に何かに取り組む姿勢や向き合い方も学んでいきます。

女人高野の寺・室生寺金堂に続く階段をどんどん登ります。春は桜・石楠花がきれいなお寺です。


五重塔の前で全員並んでパチリ。本当にお天気にも恵まれた研修になりました。
この3泊4日の研修旅行で、本物(国宝・重文)を見るということの意味を体感し、またゼミとしての「和」も高まったと思います。
卒業年度にあたって、美研の4年生たちには、絵画を描き上げていく人もいれば、美術に関する研究論文をまとめていく人もいます。描く人も書く人も、これからも励まし合いながら、学び合いながら、学びの集大成である卒業制作・卒業論文の完成を目指して、室生寺の長い階段を仲間と登ったように一歩一歩あゆみを進めていってほしいと、私たちは願っています。

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児童学科ブログ 第38回

保育者として大切にしたいこと
   ─ 豊田一秀先生・保育講演会

 

 2017年6月24日、保育講演会が開催されました。

 

ノートルダム清心女子大学 保育講演会

保育者として大切にしたいこと
     ─ 幼児理解と自己理解の相互性の中で考える

講師  豊田一秀 先生

元・玉川大学教育学部准教授

現・星美学園短期大学非常勤講師

 児童学科で保育を学ぶ学生達が集まり、また一般の方々にもご参加いただきました。

 

 豊田一秀先生は、お茶の水女子大学附属幼稚園の教諭として、長年子ども達の保育に携わったのち、大学院での研究、英国留学を経て、玉川大学では多くの保育者達を育ててこられました。

 今回のご講演では、豊田先生が保育者として歩んでこられた道程を、楽しいエピソードを通して語っていただきました。また、豊田先生が薫陶を受けられた、津守眞先生の保育者論についても、保育の実際に即して具体的にお話いただきました。

 

■ 太陽の教育

 豊田先生がさまざまに保育の本質を語られた中でも、保育とは「太陽の教育」なのだというお話が印象的でした。

 「北風と太陽」という童話は誰もがご存じだと思います。そのお話と同じように、保育者は指示や計画によって子どもを動かすのではなく、子どもの心に温かく寄り添います。それによって子ども達は主体的に前に進んでいくことができるのです。

 泣いている子どもに、「なぜ?」と尋ねるより、そっと差し出すハンカチや、優しい言葉が、子どもの心を明るくします。そんなふうにかかわれる人こそ、子どもが本当の思いを告げられる保育者になれるでしょう。

 どんなふうに言葉をかけると、どんなふうに子ども達の心が動き、新たな保育が展開していくのか ─ 数々の具体的なエピソードは、豊田先生が子どもの心をよく知っているからこそ、語っていただけたのだと思います。

 

■ 学生達の感想から

 お話に引き込まれ、楽しんだり、考えさせられる中で、1時間半がとても短く感じられる講演でした。学生達もいろいろに触発され、豊田先生を引き留めては、日頃保育について考えていることを質問していました。

 学生達の感想をいくつかご紹介します。

 

  • ・私は、まだまだ子どもの気持ちに寄り添えていないなと感じました。先生のお話を聞いていて、こんなふうに子ども達に声をかけられる保育者になりたいと思いました。
  • ・保育者として大切なことは何か、まだ自分自身では語れないでいます。表面の理解ではなく、実質を伴う理解を自分の中で深めていける、豊かな人間でありたいと思いました。
  • ・子どもの気持ちに寄り添うって、どういうことだろう。一緒に遊ぶこと、楽しむこと、気持ちを理解すること...と考えてみたけれど、どれも十分でない気がします。その子が何を大切にしているか、どれだけそれを一緒に大切にできるか、ということかもしれません。豊田先生のお話を聞いて、考えさせられることがたくさんありました。まだまだお話を聞きたかったです。ありがとうございました。

 

■ ■ ■ ■ ■

 

 保育の探求は、どこまでも続く道のようなもの。児童学科の学生も、その出発点に立ったところです。これから歩む道を支えていく力、保育者としての将来につながる力を、大学では培いたい。

 今日の講演は、実習で子ども達と出会うとき、卒業後に専門職として保育にあたるとき、将来経験を積んだ保育者として自らを振り返るとき、いつかまた思い返されるでしょう。そのたびに、保育の本質について新たに考えることができる手がかりを、豊田先生からいただいたように思います。

(文責:児童学科 西 隆太朗)

 

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児童学科ブログ 第37回

池上彰先生の「大学論」

 

 児童学科の1年生159名が,ジャーナリスト・池上彰先生の「大学論」の講義を受けました。

日時:平成29年5月13日(土) 13:30~15:00

場所:ノートルダム清心女子大学・カリタスホール

 

 第1学年の必修科目「総合演習」の講義の一環で,例年,故・渡辺和子 ノートルダム清心学園理事長が「リベラル・アーツ」について特別講義を行っていた時間です。

 

 池上彰先生は,東京工業大学のリベラルアーツ研究教育院で現代史を教えておられます。それならば,リベラル・アーツについてお話いただければと,本学児童学科・石原金由 教授が依頼し,今回の特別講義が実現しました。ご多忙を極める池上彰先生が本学に来てくださるという大変貴重な機会となりました。

 他学科の学生や教職員も加わって,約460名収容の会場がほぼ一杯になりました。

 池上先生のご講演では,学生に向けてたくさんのメッセージがありました。

 

・学問の世界では,すべてを疑え。

・すぐに役立つことはすぐに役に立たなくなる。すぐに役に立たないように見えることも,いろいろなところで(生き方,仕事,人とのつきあい等)いつか役に立つ。

・リベラル・アーツは,自由な人間として生きていくために必要な力。

・バラバラの「知識」が結びついて「理解」となり,宗教の力や自分なりに考えることを通して「知恵」となる。

・英語が話せないのではなく,英語を使って話すべき教養を持っていないのだ。

・教育とは,決して人に取られることのない財産。

・読書は読むだけではダメ。立ち止まって考えることが必要。 等...

 

 講義の最後には,質問の時間をとってくださいました。6名の学生が進んで質問に立ちました。先生は,どの質問にも1つ1つ丁寧に答えてくださいました。

 池上先生のユーモアと具体例を交えたリベラル・アーツのお話は,いつまでも学生や私たち教職員の心と記憶に残ることと思います。

 池上彰先生,本当にありがとうございました。

 

(文責:児童学科 准教授 杉能道明)

 

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児童学科ブログ 第36回

京都奈良研修旅行 ─ 美術研究室

小田久美子 准教授

 

 美術研究室(美研)では、3年生の授業で西洋美術と日本美術について学びます。そして美研所属の新4年生は、毎年4月に、京都・奈良へ3泊4日の日本美術研修旅行に出かけます。この行事の歴史は古く、児童学科開設の後4年目から始まったことから計算すると、49年の伝統を持つと言えます。

 2017年も、4年生11名と片山裕之学科長と小田久美子の教員2名で、4月12日に出発し4日間の行程を無事終えました。

 研修で訪れた寺院・博物館を順番に並べると以下のようになります。

 

京都国立博物館(新館)-三十三間堂-岩船寺-当尾の石仏-浄瑠璃寺-興福寺-新薬師寺-十輪院-元興寺-東大寺南大門-東大寺ミュージアム-東大寺大仏殿-三月堂-二月堂-戒壇院-奈良国立博物館-聖林寺-大野寺(弥勒石仏)-石位寺-室生寺-中宮寺-法隆寺-薬師寺-唐招提寺-秋篠寺

 

 京都国立博物館で開催されていた、龍を描けば日本一:桃山最後の師匠、開館120周年記念特別展覧会「海北友松展」の鑑賞が旅の始まりです。

 

 今年は、満開に咲く美しい古都の桜が我々を迎えてくれました。写真とともに古美術の旅の雰囲気を少しでもお伝えできればと思います。

 

 京都 岩船寺と浄瑠璃寺の周辺にある石仏を巡ります。平安時代や室町時代というずっと昔の人々が磨崖仏に寄せた思いを感じながら、進みます。五感で感じる仏像の旅、ここでは触覚で。磨崖仏を触ってみます。

 

 東大寺大仏殿を後ろに記念撮影。広い東大寺を歩いて回ります。この日は1日中徒歩移動です。その歩数23000歩!

 

 二月堂から戒壇院に向かう回廊も桜が満開でした。

 

 フェノロサによって明治20年に秘仏の封印がとかれたという、十一面観音についての片山教授からの説明を、学生たちは真剣に聞きます。国宝や重要文化財の持つ力強さに圧倒されながら、若い感性で受け止めているように見えました。この旅では、「ほんもの」に触れるだけではなく、多視点的鑑賞方法、真剣に何かに取り組む姿勢や向き合い方も学んでいきます。

 

 世界最古の木造建築が残る法隆寺では、特別開扉中の秘仏である観音菩薩立像(救世観音)をはじめとした数々の国宝を拝観します。また、戒壇院等でこれまで観てきた四天王像との比較もしました。

 「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」

 

 女人高野の寺・室生寺金堂に続く階段をどんどん登ります。春は桜・石楠花がきれいなお寺です。

 

 この3泊4日の研修旅行で、本物(国宝・重文)を見るということの意味を体感し、またゼミとしての「和」も高まったと思います。 卒業年度にあたって、美研の4年生たちには、絵画を描き上げていく人もいれば、美術に関する研究論文をまとめていく人もいます。描く人も書く人も、これからも励まし合いながら、学び合いながら、学びの集大成である卒業制作・卒業論文の完成を目指して、室生寺の長い階段を仲間と登ったように一歩一歩あゆみを進めていってほしいと、私たちは願っています。


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