新旧の建物や四季の風景などを紹介します。
ノートルダムホール本館3 黒く塗られた白亜の殿堂
1929(昭和4)年に建築されたノートルダムホール本館と東棟は、外壁を真っ白に塗られた鉄筋コンクリート造の建物です。竣工当初は白亜の殿堂と称されていた校舎も、戦争時には空襲を避けるため黒く塗られていました。
終戦後、黒い外壁は白く塗り替えられましたが、現在でも学生玄関の支柱下部に黒い塗料が確認できます。
コンクリート製の柱を黒く塗った際に、土台の石(万成石)に垂れた塗料が残っていると考えられています。
この塗料はアスファルトに近い材質のため、現在でも完全に除去することができません。
戦時中、次第に黒くなっていく校舎に通っていた岡山清心女子専門学校(本学の前身)の生徒たちは、入学早々に軍需品の被服縫製作業や農村出勤などで授業を受けることがままならない状態でした。そして、1945年6月29日の岡山空襲では、専門学校と清心高等女学校の生徒合わせて14名の尊い命が失われました。
戦前から建ちながらも、奇跡的に戦災にはあわず、そのままの形を残し続けてきた校舎は本学におこった悲しい出来事を、行き交う多くの学生たちに伝える生き証人でもあります。
毎年、大学祭の企画で、学生による学内ツアーを実施し、地域の方にも、本学の校舎を歴史とともにご覧いただける機会を設けています。
ノートルダムホール本館1
現在も使用されているノートルダムホール本館と東棟は、1929(昭和4)年に建築されました。設計者はアントニン・レーモンド。 日本における昭和初期のモダニズム建築として貴重な存在であり、今も当時のままで使われ続けている素晴らしい建築遺産であることから、2007(平成19)年7月に文化庁から国の登録有形文化財として登録されました。
ノートルダムホール東棟1
ノートルダムホール東棟はノートルダムホールを代表する建物です。2階部分に聖堂が配置されています。建築当初は修道院として使用されていました。右の写真で聖堂の後方にそびえるのは1995(平成7)年に竣工したノートルダムホール中央棟です。80年前に建築された伝統的な建物と 現代的な建物とが調和して立ち並ぶ姿は、「変えてよいものと変えてはいけないもの」を常に見定めて歩む本学のスピリットを象徴しています。
ノートルダムホール東棟 大学聖堂1
本学のシンボル的存在である聖堂(チャペル)です。ノートルダムホール東棟の2階にあり、他の建物からやや隔離されていることから、静寂が保たれています。 大学聖堂では、日々の早朝ミサ、大学祭オープニングミサ、学園関係物故者追悼ミサなど折々の祈りの集いなど多様な目的で集まる場になっています。静かに思索したり、祈ったりするために、この大学で学ぶすべての人びとのために、自由に出入りできるように開かれています。
ノートルダムホール本館2 冬の風景
左の写真は、1955年発行の卒業アルバムに掲載されているノートルダムホール本館の雪景色です。戦時中、空襲を避けるために校舎は黒く塗られており、10年を経た当時もまだ塗り替えられていない様子がうかがえます。現在のノートルダムホール本館は、建設当時(1924年)、東洋一と賞賛された姿と同じ姿で使われ続けています。
記念館1
記念館は、1959(昭和34)年に大学創立10周年、ナミュール・ノートルダム修道女会来日35周年を記念して落成され、その後1988(昭和63)年に改修工事が行われました。1階は体育館で2階には音楽室が設けられています。
記念館2
記念館の内部です。記念館は入学宣誓式をはじめ、卒業関連行事や追悼ミサなどの式典や行事で使用されているほか、児童学科の体育の授業や課外活動などで使用されています。
(写真左:ナミュール・ノートルダム修道女会来日35周年記念式、写真右:大学院第13回学位記 学部第57回卒業証書・学位記授与式)
セント・ヨゼフホール(学寮)1
ヨゼフホールは学寮として、1959(昭和34)年5月に着工され、大林組施工により、翌年3月に竣工されました。建設当初は、1階に食堂・娯楽室・事務室、2・3・4階に聖堂・寝室がありました。1983(昭和58)年3月にはヨゼフ本館食堂を解体し、1階に大食堂、2・3階には学寮としての大改造が行われ、ヨゼフ新館が落成しています。永年にわたり学生寮として遠方からの学生を受け入れてきましたが、築後50年が経過し老朽化が進んでいることから、2010(平成22)年6月から解体が始まりました。
セント・ヨゼフホール(学寮)2
蒜山セミナーハウス
蒜山セミナーハウスは大山隠岐国立公園に連なる蒜山高原に設置されています。1979年に本館が竣工し、その後増築されました。4月の新入生合宿オリエンテーションをはじめ、ゼミやクラブの合宿などに利用されています。
記念館3
1959年に落成され、1988年の改修工事を経ましたが、老朽化がすすみ2011年5月に改築工事に着手しました。そして2012年2月27日に落成式が行われました。アリーナの床面積は旧館とほぼ同じですが、東西にあった10本の柱は撤去され使用面積が拡大しました。また、2階へあがる屋内階段は東西2か所に設置されました。
セント・ヨゼフホール A棟・B棟
長年にわたり学生寮として学生を受け入れていましたが、老朽化にともなって2010年に解体されたヨゼフホール(学寮)は、2013年7月に新たに形を変えヨゼフホールA棟・B棟として竣工されました。A棟は生涯学習センター「清心フェリーチェ」を備え、B棟は1階にラウンジとショップを設け学生に開放されています。2・3階は講義室を備え授業等に使用されています。